その日、地球は滅亡した
慧は7年前からこうなる事を知っていたのか?
「なあ、慧。お前一体何者?」
「さあなー。」
はぐらかして、再び歩き出す慧。
「教えてくれたっていいだろ!」
「無理。」
秘密が多い方がなんかカッコイイだろ、と意味の分からない事を言う慧に
イラついて背中を思いっきり叩いてやった。
すると、そのまま転ぶ。
「・・・。」
戦ってた時はあんなに恰好良かったのに、ダサい。
「っ、何すんだよ心晴!」
「だっせー。」
「お前のせいだろ!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ出した俺と慧。
さっきまで、パニックだったけど今はそんな事無かった。
不思議と、慧と居ると安心する。
ようやく普段の調子を取り戻した俺を見て、慧は笑った。
「心晴ー。」
「何だよ。」
「何かしたい事あるか?」
「はあ?」
別にないんだけど。と言えば お前夢ないなー と言われる。
いや、夢とか言われても。
どうせ明日地球滅亡するんだし。
「ってか、明日地球滅亡しないために世界を救うんじゃなかったのかよ。」
「もちろん。」
「なんか作戦とかないの?」
「一応あるけどさ。ってかお前、本当に何もしたいことないのか?
明日地球滅亡するんだぞ?」
「別に、無い。」
兄貴みたいに彼女がいるわけでもないし、欲しい物とかもないし。
いざ、何かしたい事がないか聞かれても考え付かない。
そんな俺をみた慧は、 例えば、 と言って歩道を歩いていた女の人のスカートの裾を掴んだ。
「こういう事とか。」
慧は女の人のスカートを勢いよくめくり、下着をまじまじと見る。