その日、地球は滅亡した
「ッ、」
心晴は意を決して乗ってきたタイムマシーンへ向かった。
「心晴君!」
「俺が、過去を変えるから。」
すれ違い様にそう言うと未空を置いて、1人でタイムマシーンに乗り込み浮上した。
試作のタイムマシーンが上空に移動を始める。
それを追って心晴は加速を始めた。
「心晴君!待って!」
残された未空は焦ったように声をあげるが、声は届かない。
「やだよ、お願い、戻ってきて!」
未空は彼が何をしようとしているのか予想がついた。
試作のタイムマシーンはさらに上へとのぼっていく。
(俺、何してんだろ。)
タイムマシーンの中で心晴はふとそう思った。
こんなに必死になっている自分が少し可笑しい。
試作のタイムマシーンとの距離を縮めていく。
不思議と怖くはなかった。
(未空に、告白しとけばよかった)
今更遅い。けど、それはそれでよかったのかもしれない。
想いを告げればきっと、後悔すると思うから。
「あぁあああああ!」
心晴は思い切り叫んだ。アクセルを踏む足に力をこめる。
そして、
ドォオオオン!
タイムマシーンは試作品に勢いよく衝突し大爆発を起こした。