その日、地球は滅亡した
消えゆく記憶
*
未空は、カドクラ会社の客室のソファーに座っていた。
目の前には2012年の父親がいる。
(意味わかんない。)
未空は混乱していた。何かを思い出そうとすると激しい頭痛が彼女を襲うのだ。
(私、どうしてここにいるの?)
「未空、大丈夫か?怪我はないか?」
「うん、私は大丈夫だよ。...お父さん、だよね?」
「ああ。」
「ねえ、さっきの爆発は何?どうして私は2012年にいるの?私、どうやってここに来たの?」
素直に疑問を口にすれば、友哉は困ったように首をかしげた。
「...分からない。」
「...。」
心にぽっかり穴があいてしまったような感覚に戸惑う。先ほど、上空で爆発したものはなんなのだろう。どうやら友哉もわからないらしく、部下に調べさせているらしい。
暫くすると、ノック音が響いた。友哉が返事をすると、「失礼します」と言い部下が入ってくる。
「何かわかったか?」
「爆発したのは球形の機械のようです。機体のパーツに、我が社のロゴがつけられていました。社長、何かご存じですか?」
「...知っている気もするが、ダメだ。何故か思い出せないんだ。」