その日、地球は滅亡した
「どうして落下した機体の瓦礫の中からそれが出てきたんでしょうね。」
「...なんでだろう。」
無意識にプリクラを持つ手に力がこもる。
「あの、その爆発した機体に誰か乗ってたんですか?」
「人が乗っていた形跡はありませんでしたよ。」
「そうですか...。」
「不思議なことに、私共も何も思い出せないんですよ。しかし、貴方が2012年の未空さんではない事は理解しているんです。可笑しな話でしょう?」
確実に、何かが狂い始めている。
しかし、考えても混乱するだけだ。外の空気でも吸ってこようと思った未空は研究員に伝えて外にでた。
「...。」
外に出ると、研究所前の広場にある瓦礫の山に気付いた。
(あれが、爆発した機体?)
未空はなんとなく気になり、それに近づく。「っ、」一歩足を踏みだし、瓦礫に近づくたびに頭痛が酷くなっていく。けれど足は止まらなかった。何かを思い出せそうな気がしたのだ。
「未空!」
しかし、それはちょうど研究所からでてきた友哉に止められてしまう。
「顔が真っ青だ。今すぐ会社に戻って休みなさい。」
「でも、私「思い出せない事があって、不安なのは皆同じなんだ。とりあえず落ち着くことが先決だ。戻りなさい。」
父親らしい口調で告げる友哉に逆らうことができなかった。未空は小さくうなずき、再び会社に戻っていく。