その日、地球は滅亡した


歓迎するわ、と言って母親は微笑む。

「ありがとうお母さん。」



それからは、楽しかった。家族で机をかこみ、母親の手料理を食べ、未来のことについて話したり、学校のこと、友達のことを話した。元いた時代___2018年にいたときと、本当に何も変わらない生活。すぐに馴染んでいく未空を見て、両親も嬉しそうに笑った。違和感を感じることはなかった。


「早く12歳の私にも会ってみたいなー。」

「明日の夕方に帰ってくるわよ。あ、未空、お風呂入っちゃいなさい。」

「はーい。」

当たり前のように、風呂場へ向かう。今日は12歳の未空の部屋で寝ることになった。鼻歌を歌いながら湯船に浸かる。

(なんだか疲れたなあ。)

ずっと気を引き締めていた気がする。それが解けた瞬間、どっと疲れがでた。

「ふあ...。」

欠伸をひとつして、目をこする。なんだか眠くなってきた。早くあがって、今日は早めに寝よう。未空は湯船からあがり、体と頭をあらうと風呂をでた。用意されていたのは母親のパジャマだった。







12歳の未空の部屋に入り、ベッドにぼふんと倒れこむ。

1分もたたないうちにうとうとしてきた。(明日は、お母さんが買い物に連れて行ってくれるし楽しみだなあ)暢気な事を考えながら未空は意識を手放した。


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