その日、地球は滅亡した
__知らない誰かが2人、私の一歩前を歩いている。
私は彼らを追いかけていた。何故だかわからない。「 !」彼らの名前を呼ぶと、2人は振り向く。「ほら。」背が高いほうの男のひとが、手を差し出してきた。それを見た同じ歳くらいの少年も、ムッとしながら手を差し出してくる。
私は笑顔で二人の手を握る。
私達3人は2012年の町を歩いていた。「あ、ゲーセン行こうぜ!」少年が私の手を強く引っ張った。「 、引っ張るなよ。未空ちゃん、ゲーセン行ってもいい?」「うん!」
彼らの名前を聞き取る事ができない。彼等の顔はもやがかかっているように白く、表情がわからない。
けど、わたしは彼等のそばにいることができて幸せだった。短い間だったけど、いっぱい泣いて、笑って、くじけそうになったけど、前に進んで行けたのは彼等のおかげ。
___お願い、 を護って。
脳内に聞き覚えのある声が響いた。ズキン、ズキン、頭が痛みだす。
「未空、大丈夫か?」
私の異変に気付いた少年が心配そうに顔をのぞきこんできた。
「わた、し、」
「何も思い出さなくていいんだ。未空ちゃんは、ここにいたほうがきっと幸せだから。」
「や、だ。」
じわり、瞳に涙が浮かんだ。それを見た青年は困ったように笑う。何かを忘れたくない気持ちで溢れる。
「わたし、あなたたちと、いっしょにいたい。」
無意識につむいでいた言葉に、自分自身でも驚いた。
「...そっか。」
青年は私の頭に手をおき、優しくなでてくれる。少年の手の震えが、私の手を通して伝わってくる。
「貴方たちは誰?どうして、私はあなたたちのこと思い出せないの?」
「未空、もう別れの時間だ。」
「嫌だよ!ねえ、教えて!」