その日、地球は滅亡した



急いでいるせいもあり、何度か躓き転びそうになった。けれど脚は止めない。走り抜ける。目指すのは門倉会社だった。昨日の機体の瓦礫の元に行かなければならないと、何故だか脳が訴えている。





会社に向かうと、すでに出勤していた社員達がいた。未空の事は社長である友哉から聞かされているらしく「未空さん、おはようございます。そんなに急いでどうしたんですか?」と声をかけてくる。

「お、はようございますッ、すいませんちょっと通してください!」

未空は研究員の横をすり抜けて、隅のほうに集められている瓦礫に駆け寄る。頭痛はもう、しなかった。瓦礫の山をかき分けて、何かを探す。その様子を不思議そうに見ている社員達。


「っ!」


そこにはあるはずのない、一枚のディスクが瓦礫の中からあらわれた。それを見た瞬間、体に鈍い痛みが走る。

「ッ!?」

ディスクに触れた指先から、未空の体全身に痣が広がった。

「未空さん!?」「今すぐ社長を呼んで来い!」

未空を心配する声が響く。

「こな、いで。」


未来が再び変わり始めたのだ。(このディスクを未来に運べば、タイムマシーンは、過去では作られなかったことになるはず)そうなれば、タイムマシーンの試作品ができることはない。心晴が、タイムマシーンの試作に突っ込まずにすむ。元凶は、心晴でも友哉でもない。このディスクがあるからいけないんだ。


未空は唇をかみしめ、立ち上がった。鈍い痛みがするだけで走れないほどではない。「未空さん!」未空はディスクを持って走り出した。最後に、この世界の心晴に伝えたいことがある。

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