その日、地球は滅亡した





___私達がタイムスリップし、タイムマシーンの修理をするときそれの製作過程を過去のお父さんに教えてしまったから、運命が余計捻じれ、可笑しくなってしまったんだと思う。

タイムマシーンを製作するきっかけを作った慧さんや心晴君が消えたから、タイムマシーンも消えた。だから昨日、それに関する記憶も全部、彼等と一緒に忘れてしまったのだ。


しかし、私はすべてを思い出した。それにより過去が変わり、ディスクが現れた。ディスクが現れたということは心晴君や慧さんがこれを過去に届けたという-過去-が出来上がっているはず。

その過去が出来上がっているにも関わらず、お父さんや社員の人たちはタイムマシーンの研究をしていないようだった。

なら、このディスクを見せなければ「未来」は救われる。


私の目の前から消えた2人もきっとどこかで生きてるはずだ。








時刻は11時50分。「はぁ、はぁ。」乱れた息を整えて、目の前にある家のインターホンに手を伸ばした。指先が震える。



しばらく待つと、がちゃりと玄関の扉が開いた。



「...何か用ですか?」


不思議そうな表情の心晴君がでてきた。最後に、この時代の彼に伝えておきたいことがある。

本来ならば彼はこれから壮絶な運命との戦いに巻き込まれるはず。けど、もう大丈夫。未空は泣きそうになるのをこらえて笑顔を作った。


「心晴君、」

「あ、ハイ。」




「私、あなたが好きです。」



「え?」

彼はぽかんとして私を見る。そうれもそうだろう。知らない人にいきなり告白されたんだから。





「時間が無いんで、もう行きます!

最後にあえてよかった、ありがとう。」



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