その日、地球は滅亡した
いるはずのない、愛しい彼女におもいきり抱き着けば未空は驚いたような表情をして心晴をぎこちなく抱きしめかえした。
「未空、なんで、お前っ、」
「...だって、約束したでしょ?」
___絶対、未来を変えよう。3人で、生きて帰ろう。
「3人で生きて帰ろうって。」
彼女の頬を涙が伝う。表情が歪み、肩が震えた。
「こはるくんの、ばか。」
「ごめん、」
「わたし、もう、会えないかとおもった。」
「ごめんな。」
「ッ、もういなくならないで。」
「うん、ずっと傍にいる。」
ぎゅう、と抱きしめる腕に力をこめた。また会えたのだと実感する。
「俺、言わなきゃいけないことあるんだ。」
未空から離れ、彼女の瞳をまっすぐと見つめる。
「俺、未空が好きだ。」
「...私も、すき。」
愛しさが胸のあたりに広がった。きゅう、と胸がしめつけられて温かくなる。心晴がもう一度彼女を抱きしめようとしたとき、慧が心晴ごと未空を抱きしめた。
「未空ちゃん、俺も好きだからな。」
「ちょ、慧!」
「私も慧さんのこと、好きです。」
「未空も何言ってんだよ!」
「心晴君は、慧さんのこと好きじゃないの?」
確信犯だ。未空が心晴に問えば、彼は一瞬言葉に詰まったが、「す、すきだけど。」と呟く。なんだか可笑しかった。また、3人でこうしていることができるなんて。
夢みたいだと思った。