その日、地球は滅亡した
何だよそれ。地球を救って自分は死ぬとか。
そんな覚悟あるわけない。
「だから最初に聞いただろ?命を賭ける覚悟はあるか?って。」
「っ、」
言葉に詰まる。
「こっちだ。」
慧は俺の手を引いて歩き出した。
大通りに出た俺達は人混みをかき分けて暫く歩く。
そして、人目のつかない薄暗い細い道に入った。
さらに進むと、目の前に空き地が現れる。
「なんだよ、それ...。」
空き地には見たことのない大きな機械?いや、マシーンがある。
形は球体で、複雑な作りになっていて口では説明するのが難しい。
操縦席と助手席が二つあって、人が乗れるようになっていた。
「何って、タイムマシーン。」
ドクドクと心拍数が上がっていく。
まさか、いや、ありえない。
慧が言っていたことは本当なのか?
「実は俺、7年後の未来から来たんだ。」
そして、彼は爆弾発言をした。
ざあっ、と夏にしては冷たい風が吹いた。
髪が靡く。俺が茫然とすると、慧は苦笑する。
「信じられないのも無理ないよ、俺もそうだったから。」
慧は俺の肩にぽん、と手を置いて妙な事を口走った。
しかし、動揺している俺には彼の言葉は入って来ない。
ただ、時間だけが過ぎていく。
「もう一度聞くけど、
心晴、お前に命を賭ける...いや、地球を救う覚悟はあるか?」
タイムマシーンの前で、慧は俺に再び問いかけた。