その日、地球は滅亡した

「死んだはずなのに、気づいたら19日に居て...

未空に会ったんだ。可笑しいよな、こんなの...」


未空は一瞬だけ驚いたような表情を見せたが、すぐに彼女は表情を歪ませた。

「み、未空!?」

突然泣きそうになる未空に慌てると、未空がずずっと鼻をすすってから

真っ直ぐ俺を見つめる。

綺麗な瞳が、自分を映す。

ドクドクと鼓動が早くなっていくのを感じながら、俺はごくりと唾を飲み込んだ。


「その話が本当なら、心晴君は明日を救うために来たんでしょ?」


未空は少しだけ潤んだ瞳で微笑み、俺を見る。

この話を信じてくれた事に驚きつつも、重い口を開いた。

「...もし、そうだとしても現実的にありえない。それに俺にできるわけないよ。」

「できるよ。」

「そんなのわかんねーだろ!簡単に言うなよ!」

簡単に言う未空に苛立って、怒鳴ってしまった。

慧が言っていた作戦を思いだし、体が震える。

俺は、死ぬかもしれない。

世界を救う事ができたとしても、俺は____


「私も協力する。」


「っ、え?」

力強くそういう彼女を驚いた目で見ると、にっこりと笑った。

「一人より、二人の方が心強いでしょ?」

「...なんで、

なんで、会ったばかりの俺にそんなに優しくしてくれんの?」

疑問に思ったことを素直に口にすれば、未空は んー、 と考えるようなしぐさを見せる。



「まだ、内緒。」

いたずらっぽく人差し指を口元にあてる未空が、

何故か可愛く見えてしまった。
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