その日、地球は滅亡した
◎その日、私は覚悟した


*未空視点





___2019年夏...門倉未空(かどくら みく)は恋をした。

それも、お父さんの会社の社員の人に。

たまたま、お父さんがその人を家に連れて来た。

仲がいいらしく、結構一緒に飲みにも行くみたい。

今日は一緒に晩御飯を食べるらしい。

社員の人が来るからって、私はお母さんに先に食べておきなさいと言われて少し早めに晩御飯を食べた。


「峯岸、お前は良くやったよ!」

はっはっは、とビールを飲みながらお父さんは峯岸さんを見る。

「明日のニュースは、きっとカドクラ会社の話題でもちきりだな!

タイムマシーンがついに完成したんだぞ!歴史に名前を残す事になるなぁ。」

私は、リビングの扉からそっと顔をだしてお父さんの会話を聞いていた。

お酒を注いでいるお母さんも何処か嬉しそうだ。

「タイムマシーンを作ることが子供のころからの夢だったんですよ。

まさか、本当に俺に作れるなんて思ってませんでしたけど。」

酔ってきたのか、峯岸さんは頬を少しだけ赤く染めていた。


(...かっこいい。)


私はそんな峯岸さんから視線を外すことができずにいる。

ちょっとだけ茶色がかった髪と、大きめの瞳が彼を幼く見せている。

けど彼が纏う雰囲気は大人っぽくて、迷いが無いっていうか、

そう、真っ直ぐしてる感じ。

それに、お父さんの会社に社員としているんだから頭もいいんだと思う。

ぽーっと見惚れていると峯岸さんが私の視線に気づき、ぱちりと目があった。

ビク、として肩を震わせる。


「社長、あの子は?」

「ん?」

お父さんは振り向き、私を見る。

「ああ、俺の娘だ!未空、こっちに来て挨拶しなさい!」

緊張したけど、峯岸さんと知り合えるチャンスだ。

おずおずとリビングに入り、峯岸さんに向かって挨拶する。

「門倉未空です。」

そう挨拶すれば、峯岸さんは目を細めて微笑む。

「俺は、峯岸心晴。未空ちゃんは、何歳なの?」

「...18です。」










< 24 / 187 >

この作品をシェア

pagetop