その日、地球は滅亡した


言った後で、少し後悔した私は いや、あの、別に、 と言葉を濁せば峯岸さんは笑う。

「気になる?」

いたずらっぽく笑う彼に、きゅんとしてしまう。

いいなあ、峯岸さんの彼女さん。

突然、峯岸さんは私の頭に手を置いてわしゃわしゃと撫でてきた。


「優しくて、俺を理解してくれて、とにかく包容力がある人だよ。

俺、笑った顔が一番好きなんだ。」



ただの惚気だけどな!と明るく笑う彼を見ると胸がツキンと痛む。

目の前にいる峯岸さんは、とても幸せそうだった。

私の入る隙はない。

さっさと諦めよう。

まだ、大丈夫。きっと忘れられる。

ばれないようにぐ、っと拳を作って握りしめた。


「なら、そろそろ帰ろうかなー。」

ぐー、と背伸びをして峯岸さんは立ち上がった。


「未空ちゃんと話せてよかったよ。またな。」

「あ、はい!また!」


ひらひらと手を振る峯岸さんに振り替えせば、彼は部屋を出て行った。

「...ずるい。」

またなって言う彼が、ズルいと思う。

いつかまた会えると期待してしまう自分が嫌で、

はぁ、と大きなため息をついた。




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