その日、地球は滅亡した
なんだか喉が渇いた。
私はベッドから起き上がると飲み物を求めて、リビングへと向かう。
ちょうど部屋に入ろうとした時、お父さんとお母さんの話し声が聞こえて動きを止めた。
「あなた、本当にこれでいいの?」
「タイムマシーンを完成させることがアイツの夢だと良く聞いていたし
...命を賭ける覚悟もあると聞いたからな。止めても無駄だろう。」
え、命?
「けど、いくら動物実験の成功データがあるからって言っても、
人間だとどうなるかわからないんでしょう?危険すぎるわよ。
ここは無理にでも止めなきゃ、何かあってからでは遅いのよ?」
お母さんの真剣な声音を聞いて、私は戸惑う。
私が思っていた以上に試乗は危険らしい。
「責任は俺が取るさ。
俺は社長だから、部下を守るのも俺の役目だ。」
「あなた、それ、どういう意味?」
お母さんの声が震えている。
扉の隙間からそっとリビングを覗くと、お母さんの困惑した表情が見えた。
「峯岸1人で行かせるのは危険だからな。元々、俺も試乗する気だった。」
「何言ってるのよ!」
大声が響く。
私は驚いて、その場に立ち尽くした。
「だって、さっき、峯岸さんも言っていたじゃない。
動物実験の成功率は90%でも、それが人になれば話は別ってッ...
試乗実験の成功率は50%しかないって。もしものことがあったら、
どうするつもりなの!?未空もいるのよ!?」