その日、地球は滅亡した
ドクン、ドクン、
心拍数が上がっていく。
成功確率、半分しかない。なのに峯岸さんは行く気なんだ。
お父さんまで行くなんて、そんな。
「今までの研究を無駄にしたくないんだ。安全性を証明し、
世界に認めてもらいたい。」
「っ、あなたって、本当に仕事人間ね。」
お母さんの瞳には涙が溜まっている。
お父さんは、お母さんを優しく抱きしめた。
「俺は必ず戻ってくる。」
格好良い台詞を言うお父さんに向かって、お母さんは当たり前でしょうと言った。
なんだかんだ言って、お母さんはお父さんを許してしまう。
私の心の中に、良くわからない気持ちが広がった。
お父さんにも、峯岸さんにも行ってほしくない。
けれど私には止めることができない。
どうしてわざわざ危険なことまでしてタイムマシーンに乗ろうとするのか
わからない。
私はリビングに入るのをやめ、そっと部屋に戻っていった。