その日、地球は滅亡した
「あ、あそこから入れそう。」
子供が1人通れそうな穴が開いている。
地面に這って、体をうまくすべりこませる。
この際、服が汚れても気にしないようにしよう。
少しキツかったが、なんとか研究所内に入ることができた。
(それにしても、タイムマシーンどこにあるんだろう)
再び見回す。
すると、一番大きな建物が目に入った。
そこにありそうな気がして走り出す。
建物の扉を軽く押すと、キィと音をたてて開いた。
鍵がかかっていないことを不思議に思いながら私はそっと中に入る。
「うわぁ。」
目の前の光景に思わず声をあげた。
大きな球形をした乗り物が3つ並んでいる。
これが、タイムマシーン?
初めて見る未知の乗り物に目を丸くした。
私はタイムマシーンに駆け寄ると、入口付近についていた赤いボタンを押す。
プシュー、という音をたててそれは開いた。
ドキドキする心臓を感じながら、おそるおそるそれに乗り込む。
(このいっぱいある線を抜いて、壊せば...)
罪悪感が胸を締め付けるが、ここまで来たんだ。
やめるわけにはいかない。
複雑に絡み合っている線を適当に抜き、切ろうとした時だった。
ガタン、と突然物音がする。
「未空ちゃん。」
びくん、
突然名前を呼ばれて、体が硬直した。