その日、地球は滅亡した
「峯岸、さん。」
どうしよう、なんで峯岸さんがここに。
怒られる!
怖くて、思わず視線を落とした。
「最後のメンテナンスに来てみれば...。」
けど、峯岸さんは怒らなかった。
呆れたようにため息をつくと、苦笑する。
「まったく。そこは危険だから、こっちにおいで。」
優しい言葉をかけてくれる峯岸さんを見て、思わず泣きそうになった。
私は線から手を離し、ごめんなさいと小さく謝る。
言われるままマシーンを降りると峯岸さんは 家まで送ってくよ と言ってくれた。
しかし、私はそれを拒みじっと峯岸さんを見る。
「やっぱり、行ってほしくありません!」
「未空ちゃん...。」
「峯岸さんにも、お父さんにも、行って欲しくない...、」
その言葉を聞き、峯岸さんは目を見開いた。
「え?社長も?」
「お父さんも、行くってッ、わたし、嫌です。
タイムマシーンを完成させることが峯岸さんの夢だとしても、
私ッ、...」
ぽろ、と瞳から涙がこぼれた。
「まさか、そんな、...嘘、だろ。」
泣いている私の前で、峯岸さんはひどく動揺していた。
「7年前の、まさか、社長がっ...。」
峯岸さんの体が、ガタガタと震えだす。
「未空ちゃん!」
泣いている私に向かって、峯岸さんは声をあげた。