その日、地球は滅亡した
「私は、門倉未空です。」
「ふーん。心晴も隅に置けないなぁ。」
ニヤニヤと見てくる陽人に そんなんじゃないです! と否定すれば詰まらなそうに口を尖らせた。
「で、なんで私に声をかけたんですか?」
不思議そうに問えば彼は ああ、 と思い出したように口を開く。
「初対面で失礼かも知れないけど、なんか、門倉サンの雰囲気が気になって。」
「雰囲気?」
「そ。なんか幽霊に近い感じ。」
良くわからない。幽霊だと言われても、私は生きてるし。
確かに、初対面で失礼だ。
「一言でいうと、異質っぽい。あ、俺昔から霊感あるからなんかこういうのわかるんだよなぁ。」
もしかして、私が未来から来たからだろうか。
この世界には存在しないはずの私がいるから、彼は私を異質に感じた。
この人は峯岸さんの兄弟(たぶんお兄ちゃん?)だ。
彼に、私が未来から来たという事を説明してもいいかもしれない。
これから私はどうすればいいのかわからないし、
ただ、相談相手が欲しかった。
「あの、私の話を聞いていただけませんか!」
思い切って、私は陽人さんに言った。
彼は少し驚いたような表情をしたけど、笑顔で頷いてくれる。
(やっぱり、似てる。)
七年後の峯岸さんに、笑顔がそっくりだ。
峯岸さんを思いだしてキュンとしてしまう私は重症だと思った。