その日、地球は滅亡した
うん、意味が分からない。
女の子は最後に笑顔を見せて、背を向けて走っていく。
だんだんと小さくなる女の子の背中をじっと見つめたまま、
俺は首をかしげた。
「心晴ー、客誰だった?」
彼女との通話を終えた兄が玄関に来た。
ぽかんとしている俺を見て不思議そうな表情をする。
「知らない子に、告白された。」
「は?」
意味わかんね、と兄貴は言う。
俺だって意味がわからないよ。
それは、午後0時ジャストの出来事だった。
*
雲行きがますます怪しくなってくる。
外が、徐々に暗くなってくる。
可笑しい、まだ昼なのに何かが変だ。
「ただいまー。」
午後0時1分。
母さんが買い物から帰宅した。
「外、急に寒くなってきて吃驚したわ!」
寒い寒いと腕を摩る母さんを見て、そういえば寒いなあと思う。
さっきまで汗だらだらだったのに、汗は嘘のように乾いてしまっている。
お昼何がいい?といつものように聞く母さんに 何でもいい と返した時だった。
ゴゴゴゴゴ、と地響きがする。
「何の音だ?」
兄貴が不思議そうな表情を見せる。