その日、地球は滅亡した


うん、意味が分からない。

女の子は最後に笑顔を見せて、背を向けて走っていく。

だんだんと小さくなる女の子の背中をじっと見つめたまま、

俺は首をかしげた。




「心晴ー、客誰だった?」

彼女との通話を終えた兄が玄関に来た。

ぽかんとしている俺を見て不思議そうな表情をする。


「知らない子に、告白された。」

「は?」

意味わかんね、と兄貴は言う。

俺だって意味がわからないよ。




それは、午後0時ジャストの出来事だった。









雲行きがますます怪しくなってくる。

外が、徐々に暗くなってくる。

可笑しい、まだ昼なのに何かが変だ。


「ただいまー。」


午後0時1分。

母さんが買い物から帰宅した。

「外、急に寒くなってきて吃驚したわ!」

寒い寒いと腕を摩る母さんを見て、そういえば寒いなあと思う。

さっきまで汗だらだらだったのに、汗は嘘のように乾いてしまっている。


お昼何がいい?といつものように聞く母さんに 何でもいい と返した時だった。


ゴゴゴゴゴ、と地響きがする。

「何の音だ?」

兄貴が不思議そうな表情を見せる。
< 4 / 187 >

この作品をシェア

pagetop