その日、地球は滅亡した
「私、七年後の未来から来たんです!」
はっきりとそういえば陽人さんは一瞬ぽかんとしたが、すぐに笑顔を見せる。
「うん、続けて。」
疑いもせずにそう続けてくれた陽人さんを見て驚きつつも、私はさらに話を続ける。
「父の会社が開発したタイムマシーンを理由があって壊そうとしたんですけど、その時にある人に無理矢理タイムマシーンに乗せられて、気づいたら過去にいたんです。
その人に、峯岸…心晴さんを護ってって言われて…どうすればいいのか、
全くわからなくて、」
こんな話、信じてくれるはずない。
私は不安げに陽人さんを見上げた。
「…つまり、君は心晴を護りに来たんだよな?」
「たぶん…私に何かできるとは思えませんけど。」
「何かできるから頼まれたんだろ。…うーん、心晴に何か起きるのかな〜。」
腕を組んで考えている陽人さんをみて、私は驚いた。
どうしてこんな話を信じてくれたんだろう。
普通だったら頭が可笑しい奴だと思うに違いない。
「何で信じたか気になるのか?」
私の視線に気づいた陽人さんはうすく笑った。
頷けば、彼は私を指差す。
「さっきも言ったけど、雰囲気が普通とは違う。
それに嘘を言ってるように見えなかったからな。」
お前が俺に嘘ついて得することなんてないだろ、と言う彼に私は感動してしまった。
さすが、峯岸さんのお兄さんだ。優しい!
「っ、ありがとう、ございます…」
素直に礼を言えば、陽人さんは綺麗な笑みを向けてくれた。
「俺、今日暇だから相談にのってやるよ。
とりあえずどっか行く?」
行く宛が無かった私にとって、それは嬉しい誘いだった。
私は即決で頷くと、なら行くぞと言って彼は歩いていく。
慌ててその後を追った。