その日、地球は滅亡した


それから陽人さんといろんな話をしている最中、陽人さんの携帯が鳴った。

彼は私に ちょっとごめんな と言ってから通話に出る。

「はぁ!?今からですか!?」

陽人さんは 俺、今日休みのはずですよ と心底嫌そうな顔をしながら言う。

「わかりました、今から行きますよ。

一応言っときますけど、俺入社して一年目なんですよ?

...先輩、門倉社長に給料あげろって言っといてください。」


最後に、盛大な溜息をつくと彼は通話を切る。

そして、パフェを食べていた私に視線を向けた。

「ごめん、急用入っちゃって...」

「全然大丈夫ですよ。」

「ほんとごめん、何かあったら電話して。」

陽人さんは素早く私の携帯と赤外線通信をして連絡先を送ってきた。

登録された連絡先を見てぽかんとしていると、

彼はお金を置いて急いで店を出ていく。

じゃあな、と手を振って走っていく陽人さんをぼんやりと見ながら

私もそろそろカフェを出ようと思い席を立った。



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