その日、地球は滅亡した
少し足をひきずってしまったけど仕方ないだろう。
なんとかベンチに運び、ふう、と汗を拭うと私はもう一度男の子を見た。
見たところ、私と同じ歳くらいだ。
(...峯岸さんの、過去?)
うーん、
わからない。
とりあえず目を覚ましてくれるのを待ったほうがよさそうだ。
「...う、...」
どうやら、男の子は魘されているらしい。
じんわりと額に汗がにじんでいるのを見て、私はポケットに入っていたハンカチを取り出して濡らして拭いてあげようと思った。
公園にある水道まで行き、ハンカチを濡らす。
そして小走りで男の子の元に戻ると、
彼は目を覚ましたようで、体を起こしていた。
「あの!」
内心ビクビクしながら、思い切って話しかける。
すると彼はバッと振り向いた。
___うわあ、峯岸さんにそっくり。
見れば見るほど似ている。ていうか本人みたい。
「もう大丈夫なんですか?」
「へ?」
「さっき、そこで倒れているのをみつけたんです。」
私は軽く説明して、砂場を指さすと彼は驚いたような表情を見せる。
「...大丈夫だけど...君、誰?」
目を白黒させながら、男の子は私にそう問いかける。
名字も名乗ろうかどうしようか考えた結果、名前だけ言おうと考えて
私は
「未空って呼んでください。」
と言って微笑んだ。