その日、地球は滅亡した
私は心晴君の隣に座り、ごく自然に問いかける。
「...何もないよ。」
「うーん、でも、心晴君の顔は何かあるって顔してますよ?」
心晴君が、心配だった私は相談に乗ると言えば
彼は一瞬目を見開く。
「あのさ、敬語とか要らないよ。堅苦しいの好きじゃないし。」
「え、いいの?」
確実に心晴君との距離は縮まったと思う。
嬉しくて微笑めば、彼はじっと私を見て真剣な表情で口を開いた。
「未空は、急に地球の為に命賭けろって言われたらどうする?」
「え?」
質問が唐突すぎて驚いた。
心晴君は不安そうな、泣きそうな表情で私の返事を待っている。
「...質問の意味が良くわからないんだけど、」
なんて言ったらいいのかわからなくて、
そう返事をすれば彼は目を潤ませる。
「ごめん、今の忘れて。」
私を困らせないように、彼は無理やり笑顔を張り付けて私を見る。
きゅう、と胸が締め付けられた。
心晴君の悲しそうな、無理してる笑顔を見るのが辛い。
「私、地球の為に命を賭けるんだったらきっと嫌だって言うと思う。」
気付けば、私は無意識に先ほどの質問の返事を返していた。
「...けど、大切な人の為だったら命を賭けてもいい。」
そう、言葉を発した直後、私の頭の中に再びあの女の人の言葉が再生される。
___心晴を、護って。
どくん、どくん、
鼓動が徐々に早くなっていく。
心晴君は驚いた表情で私をじっと見ていた。