その日、地球は滅亡した


「未空は、強いな。」

「そんな事ないよ!」

私なんか、全然強くない。

弱虫で、意気地なしで、1人じゃ何もできない。

「ううん、俺なんかよりすっげー強い。」

「...。」


目を伏せる心晴君を見て、再び胸が苦しくなる。

(...私、やっぱり峯岸さんの事、好き)

自分でも不思議だった。

先ほどまでは命を賭けることが怖いと感じていたのに、

目の前の、不安そうな表情の心晴君を見ると

どうにかしてあげたい、護りたいと思ってしまう。


___大切な人...心晴君の為だったら、命を賭けてもいい。


なんて思ってしまう自分が可笑しかった。

どうせ、私はまだ元の世界には戻れない。

それなら、私は目の前の彼を支えようと思った。

心晴君もきっと不安なんだ。


「心晴君、」

私は、小晴君の両手をつかむ。

「え?」



「大丈夫だよ。」

彼を安心させるように、真剣な表情で告げた。

「心晴君なら、大丈夫。」

私が、傍にいる。

頼りにならないかもしれないけど、私が支えてあげる。

_____運命から君を護るから。

ぎゅ、と両手を握る手に力を込める。


「未空、有難う。」

心晴君は目を細めて微笑んだ。
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