その日、地球は滅亡した
未空は何もいわず、じっと兄貴を見ている。
「泣くなよ、心晴。」
「...っ、兄貴、明日俺を庇うなよ、母さんと一緒に、逃げ「それ以上言うと、怒るぞ。」
兄貴は冷たく言い放つ。
「なんでだよ!未来を変えられるかもしれないのに!」
思わず声を張り上げた。
兄貴は急に瞳を潤ませる。
「ッ、...その未来を変えたら、心晴が死ぬかもしれないだろ!俺だってなぁ、死ぬの怖いよ。けどな、それより未来が変わって、目の前のお前が消える事のほうが怖いんだよ!
お前、この時空の心晴じゃないだろ?俺、霊感あるからそれでお前が異端だってなんとなくわかる。
お前が ここ に来た理由はなんだ?」
声をあげる兄貴に驚く。唇が震え、思うように言葉がでない。
ここ...過去に来た理由を考えて、俺は慧に言われた言葉を思い出す。
「ッ、過去を、かえるため、」
「なら、お前は消えちゃいけない。俺の未来は変えなくていい。地球の未来を変えてくれ。」
な?、と俺に言い聞かせるように兄貴は言う。
兄貴の顔を見れば、兄貴も泣いていた。
「大丈夫、お前は1人じゃない。」
その言葉に、俺は子供のように声をあげて泣いた。
涙でぐちゃぐちゃな顔になった俺をみて、兄貴は優しく微笑む。
そして、もう一度抱きしめてくれた。