その日、地球は滅亡した



俺は兄貴から離れると、まっすぐと彼を見上げる。

命を賭けるのは怖い。

けど、兄貴や母さん、友達。自分の周りにいる大事な人たちの運命を変え、護りたいと思う。

___大丈夫、お前は1人じゃない。

「俺は、1人じゃない...。」

確認するようにぽつりと呟けば、兄貴は頷いた。

(1人じゃないから、大丈夫だよな)


急に19日にタイムスリップして、

急に世界を救えって言われて、

俺は死ぬかもしれないけど、でも、


護りたい。


この世界を護るんじゃなくて、大事な人たちを、彼らの居場所を。


「兄貴、俺...絶対、未来を変えるから。

兄貴も母さんも、皆、死なせないから。」


今度は俺が、助ける番だ。


「...ああ。」

兄貴は苦笑した。

俺は涙を拭いて、無理やり笑顔を見せる。

「まずは、慧を見つけるところからだな...。」

そうつぶやいた時だった。

突然、物陰からお目当ての人物が現れる。

俺は思わず声をあげた。



「慧!」

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