その日、地球は滅亡した


未空は、原因不明の病に侵されていた。

2012年のあの日から、彼女はずっと病と闘い続けている。

ぎゅ、と未空を強く抱きしめた。


「心晴、私はあの時心晴を護れてよかったって思ってる。

後悔なんてしてない。」

____だから、大丈夫。ありがとう。

「何所が大丈夫なんだよ、馬鹿。」

「私ね、自分が病気になっちゃうってわかってても、

タイムマシーンに過去の自分を乗せちゃうと思う。」

「...。」

「だって、そうしなきゃ今、私の隣に心晴は居ないんだから。」


ああ、すべて繰り返されてしまう。

俺は、過去を繰り返すつもりは毛ほどもないのに。

「俺が、させない。」

一年後、俺がタイムマシーンで2012年に向かうときは

絶対に18歳の未空を過去に連れて行かない。

____そう、思ってたのに。



やはり、運命はそう簡単には変えられないらしい。

現に俺は、過去と全く同じ道を歩んでいる。

どうにかして変えたいのに、できない事がもどかしい。


「心晴、愛してる。」

彼女の言葉を聞いて、思わず泣きそうになった。

「おれも、」

あいしてる。









そう続けようとしたとき、ハッと目が覚めた。



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