その日、地球は滅亡した
「俺がこっちに来るときに色々あって巻き込んじゃってさ」
「いろいろってなんだよ?」
「まあ、いろいろ。」
はぐらかす俺を見て、心晴は不服そうな表情を見せた。
「ってことは、未空は慧と同じタイムマシーンで来たのか?」
「いや、未空ちゃんは未空ちゃんでタイムマシーンに乗ってきたんだ。」
「え?」
ますます理解できなくなった心晴は首をかしげる。
「ちゃんと説明しろよ、訳わかんないんだけど。」
「いずれわかるって。」
「またそれかよ。」
これ以上俺に聞いても意味がないと察したのだろう。
ふてくされるだけで、心晴はそれ以上何も聞いてこようとはしなかった。
「未空ちゃん、タイムマシーンあった?」
ずっとそれを探している彼女に問えば、困ったように言う。
「いえ、それがないんです。確かにこの辺に着陸したのに...」
簡単になくなるような大きさではない。
消えるなんて可笑しい。
「本当にここに着陸した?」
「...はい。」
俺はメンテナンスを終えると、自分が乗ってきたタイムマシーンから降りた。
「誰かが持ち出した可能性はないと思うんだよなぁ」
「なんで?」
「まず空地に入れば一番に俺が乗ってきたタイムマシーンに目が行くだろうし。
未空ちゃんが乗ってきたタイムマシーンだけ持ってくって可笑しいだろ。
...故障して、ひとりでに動いてタイムスリップした可能性もあるな。」