その日、地球は滅亡した
俺は必至に過去に何があったか思い出す。
けれど、俺が体験した物語にはこんな展開はなかった。
過去は、変わりつつある。
そう感じて、ドクンと心臓が高鳴った。
新しい道を歩んでいるんだと実感して、不安と期待で冷や汗が流れる。
(俺で、終わりにするんだ)
もう一度、そう強く思う。
「で、どうするんだよ。」
心晴の問いに、俺はすこし考えてから答えた。
「とりあえず、今は未空ちゃんが乗ってきたタイムマシーンの事は後回しにして
明日のことを考えるか。」
「おう。」
「まず、心晴はタイムマシーンの操縦の仕方を覚えてくれ。自動モードだと時空を超える事しかできないんだ。
手動モードに設定して、小惑星にうまくぶつかれるように練習しなきゃな。」
「....。」
心晴は無言で頭を抱えた。
非現実的な話がいまだに信じきれないのだろう。
「あの、私は何をすればいいですか!?」
会話を聞いていた未空ちゃんが真剣な表情で聞いてくる。
できれば、彼女には俺の隣でおとなしくしていてほしいが
彼女の性格上無理だろう。
「未空ちゃんは、心晴のサポートをしてくれないか?」
「わかりました。」
納得してくれた未空ちゃんにほっとした時、
心晴はじっと俺を見つめてきた。
「何だ?」
「...俺に、できるかわからないけど、操縦の仕方教えてくれ。」
すこし声が震えているのは気のせいではないだろう。
俺は頷いた。