その日、地球は滅亡した


俺は必至に過去に何があったか思い出す。

けれど、俺が体験した物語にはこんな展開はなかった。

過去は、変わりつつある。

そう感じて、ドクンと心臓が高鳴った。

新しい道を歩んでいるんだと実感して、不安と期待で冷や汗が流れる。

(俺で、終わりにするんだ)

もう一度、そう強く思う。


「で、どうするんだよ。」

心晴の問いに、俺はすこし考えてから答えた。

「とりあえず、今は未空ちゃんが乗ってきたタイムマシーンの事は後回しにして

明日のことを考えるか。」

「おう。」

「まず、心晴はタイムマシーンの操縦の仕方を覚えてくれ。自動モードだと時空を超える事しかできないんだ。

手動モードに設定して、小惑星にうまくぶつかれるように練習しなきゃな。」

「....。」

心晴は無言で頭を抱えた。

非現実的な話がいまだに信じきれないのだろう。

「あの、私は何をすればいいですか!?」

会話を聞いていた未空ちゃんが真剣な表情で聞いてくる。

できれば、彼女には俺の隣でおとなしくしていてほしいが

彼女の性格上無理だろう。


「未空ちゃんは、心晴のサポートをしてくれないか?」

「わかりました。」


納得してくれた未空ちゃんにほっとした時、

心晴はじっと俺を見つめてきた。

「何だ?」


「...俺に、できるかわからないけど、操縦の仕方教えてくれ。」

すこし声が震えているのは気のせいではないだろう。

俺は頷いた。


< 72 / 187 >

この作品をシェア

pagetop