その日、地球は滅亡した


「はああ!?」

未空が、慧の勤め先の娘だったなんてまったく知らなかった。

しかし、そう考えれば慧と未空が知り合いだったことに納得がいく。

「...なら、頼むよ。」

「慧!」

あっさりと未空が話をつけにいくことを了承した慧に驚いて視線を向ければ

俺たちが行くよりよっぽどいいと言う。

「慧さんと心晴君はここで待ってて!」

「あ、おい!」

心晴は呼び止めるが、未空は走っていってしまう。

はぁ、とため息をつくと慧は疲れたのかその場にしゃがみこんだ。

「ま、未空ちゃんなら大丈夫だろ。」

「心配じゃないのかよ。」

「心配だけど、未空ちゃんならどうにかするさ。」

「...慧って、やけに未空の事わかってるよな。」

「そりゃあ、」

(付き合ってるし、)

と言いかけて言葉を飲み込む。

「...なんでもない。」

「言いかけてやめるなよ!ほんっと、慧って謎だよな。」

「まあまあ、いいじゃん。」

「少しは話してくれたっていいのに。」

寂しそうな声音に、少し悪いと感じて慧は溜息交じりに口を開いた。


「俺の、何が知りたいんだよ。」

「何がって、...色々だよ。」

「時期にわかるよ。」

「だからそれがわかんねーんだよ!俺の事少しは信頼してくれたっていいじゃん!毎回そればっかりで、ほんとウゼーな!」

不満が爆発してから、心晴は後悔してあわてて口を閉じる。

おそるおそる慧を見れば、彼は冷たい表情でこちらを見ていた。
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