その日、地球は滅亡した









「あの、おとッ...か、門倉友哉に会わせていただけませんか!」

未空は受付嬢に父親の名前をだし、会わせてもらえるように頼み込む。

しかし、そう簡単にはいかなかった。

「社長は今多忙でして...「お願いします!」

そう簡単に引き下がっていられない。

未空の必死な願いに、受付嬢は渋々受話器を手に取り社長に取り次いでくれた。

その様子にほっと息をついた。

「社長にお会いしたいという方が居まして...ええ、多忙なのはわかっております。しかし、中々ひきさがってくれなくて...。」

暫く通話を続けたあと、受付嬢は受話器から耳を離して未空に視線を向けた。

「今日は、時間を取ることができないそうでまた後日というかたちで宜しいですか?」

それじゃダメだ。今日、どうにかしてでも会わなければ。

未空は意を決して受付嬢から受話器を奪い取った。

「あ、ちょっと!」

そして、声を張り上げる。


「お願いします!今日、どうしても会いたいんです!」

『...ハァ、今日は引き取っていただきたい。こちらも多忙で「私は、あなたの娘です!」...はあ?』

突然の発言に社長だけでなく受付嬢までもが目を見開いた。

『何を言ってるんだ?私の娘は先日1歳になったばかりで「私の名前は、門倉未空です。誕生日は5月3日。血液型はA型!」

『・・・。』

突然個人情報を話し出した未空。

社長は受話器の向こうで表情をしかめた。すべて自分の娘とあてはまっていることに驚きを隠せない。

「お願いです、会っていただけませんか...!」

もう一度、真剣に頼み込むとしばらく間がおかれる。

そして、

『...わかった。社長室まで、係りの者に案内させるよ。』
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