その日、地球は滅亡した
未空はなんとか話を聞いてくれることになり、良かったと安心した。
ぽかんとしている受付嬢に受話器を返し、すいませんと小さく謝る。
なんだか今更自分がした行動が恥ずかしく思えてきて
自然と頬に熱が集中した。
暫く待っていると、エレベーターから誰かが降りてくる。
「門倉、未空様ですか?」
「は、はい!」
「社長がお待ちです。」
ついてくるように言われ、未空は緊張しながらも後に続いた。
エレベーターに乗り込み、上を目指す。
係りの人は一言も話さない。
この重い空気が耐え切れず、何か話したほうがいいのかなと考えているとエレベーターの扉が開いた。
「つきましたよ。ここが、社長室です。」
目の前にある大きな扉を見て、未空は心臓が高鳴った。
(この奥に、お父さんがいる。)
コンコン、と控えめにノックをすると 入りなさい と中から聞こえた。
キィ、
扉をあけておそるおそる室内に入ればじ、と友哉の視線が突き刺さる。
(...わあ、お父さんが若い。)
自分の父親の若いころを見て、未空は目を見開く。
「こちらに座りなさい。」
「は、はい!」
なんだか妙に緊張した。言われるままソファーに腰をおろす。
「で、何の要件があって来たんだ?それに、私の娘だと言い張る理由も聞きたい。」