その日、地球は滅亡した
「ッ、け、慧さん!?」
「未空ちゃん、交渉終わった?」
笑顔を見せてくる慧に、未空は戸惑う。
「は、離せ!こんな事をしてただですむと思ってるのか!」
「うるさいなぁ。」
慧は両手が縛られている警備員に冷たい視線を向ける。
「な、なんだ貴様は!」
友哉が慧に向かって叫んだ。
それを無視して、慧が未空に視線を向けた。
「未空ちゃんの交渉が失敗したら、脅して研究所を貸してもらおうと思ってさ。」
笑顔で言う事じゃない気がする。
未空は青い顔をして慧を見た。
「け、慧さん、その、警備員のひとを解放してあげたほうが...。」
犯罪者になっちゃいますよ と続ければもう遅いよと言われた。
「とにかく、俺達には時間が無いんだ。
研究所、貸してもらうから。」
「警察に、「連絡したら、この警備員どうなるかわかってるよなあ?」
慧はポケットから小型ナイフを取り出し、警備員の首元にあてた。
「ひぃ!」
「け、けけけ慧さん!だ、ダメですよ!」
小さな悲鳴をあげた警備員を見て、未空は慌てて彼を止める。
「...分かった。研究所を貸そう。」
表情を歪めて、友哉は渋々了承した。