その日、地球は滅亡した
*
慧は警備員を引っ張るように連れて歩いている。
その後ろに友哉と未空が歩いていた。
お互いに無言である。
すれ違う部下達に友哉は 何もするな と言うと驚きながらも頷いている。
さすが社長だ。
「ここだ。」
立ち止まった場所は、タイムマシーンが着陸した研究所前の広場。
友哉と警備員は未知の乗り物を目の前にし、目を大きく見開いた。
「...信じられない。
あり得ないが、まさか、君が言っていた事は本当なのか?」
未空に視線をうつした友哉。慧は溜息をついた。
「未空ちゃんが嘘つくわけねぇだろ。」
そういわれて、友哉はまじまじと彼女を見る。
たしかに、母親と良く似ている瞳をしている。
若いころの妻の面影がある未空に、ごくりと喉を鳴らした。
「...未空。」
びくん、
静かに父親に名前を呼ばれ、思わず肩を揺らした。
「その瞳...母親に似ていると、言われるだろう?」
「は、はい。」
「先程は疑ってすまなかった。...協力、するよ。」
「ありがとうございます、門倉さ「お父さんでいいよ。」
君は私の娘なんだろう?他人行儀は寄してくれ、と言って
友哉は苦笑した。
信じてくれたことに驚きつつ、未空は嬉しそうに表情を緩める。
「うんっ!」