その日、地球は滅亡した
「あの、慧さん。」
「どうした?」
作業を止めない慧に悪いと思いつつもずっと疑問に感じていた事を問いかける。
「心晴君は?」
「...あー。」
なんて説明すればいいんだろう。思わず視線を泳がせれば、未空はキョトンとしてこちらを見上げてくる。
「慧さん。」
返答を求めてもう一度彼の名前を呼べば、困ったように肩を落として正直に口を開く。
「喧嘩した。」
「え!?こんな状況なのに何してるんですか!」
これは叫ばずにいられない。
「今心晴君は何所にいるんですか!!」
「...わからない。タイムマシーンの修理が終わってから探しに行くつもりだった。」
「私、探して来ます!」
「1人だと危ないだ「大丈夫です!」
「未空ちゃん!」
言い出したら聞かないところは本当に変わっていないんだな、と思った慧は本日何度目かわからない溜息をつく。
今外にでれば何時動物が襲ってくるかわからないのに。
しかし、自分は早くタイムマシーンの修理をしなければならない。
「っチ、」
思わず舌打ちしてしまった。
早くタイムマシーンを修理して、2人を探しに行こう。
そう考えて再び作業に取り掛かる。
「...いいのか?」
友哉の問いに 良いわけないだろ! と八つ当たりしてしまう。
それだけ、慧には余裕がなかった。