その日、地球は滅亡した


心晴は慌てて未空に駆け寄り、彼女の手を引っ張る。

突然引っ張られて、体制を崩した未空は転びそうになるが

それを心晴は抱き留めた。

「ご、ゴメン。」

未空の顔に熱が集中する。

それに気づかない心晴は、謝った。

そして好機の目でみている2人に視線をうつしながら口を開いた。

「あの二人の前では、心晴って呼ばないで。」

「え?なんで?」

「右にいる小学生、俺だから。」

「!」

状況を理解した未空はこくこくと頷いた。



「それより、早く研究所に戻ろう?慧さんが今タイムマシーンの修理してるから「俺、戻らない。」...え?」

心晴の表情は険しい。

「未空、研究所に戻れよ。」

「何言ってるの?」

「俺は戻る気はない。」

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ?

未来を変えなきゃ、地球が大変な事になるんだよ!?

心晴君が居なきゃ「慧がいるじゃん。」

言葉を遮り、心晴は無理やり笑顔を見せた。

「俺がいなくても、未空と慧でどうにかなるって。」

「何、それ。」

まるで他人事のように言う心晴に、未空も苛立ってくる。

こうしている間にも、時間は刻々と過ぎていっているのだ。

ぎゅ、と未空は拳を握りしめて無理やり笑顔をつくる心晴を睨む。


「早く戻れよ。もう修理終わったかもしれないだろ。」

「心晴君。」

真剣な声音で、彼の名前を呼ぶ。

< 92 / 187 >

この作品をシェア

pagetop