その日、地球は滅亡した


「ッ、」

「心晴君!」

心晴は、その場の空気に耐え切れなくなり逃げ出そうとする。

その腕を掴もうとして、未空は手を伸ばすが

彼の袖に触れただけで掴むことはできなかった。

(追いかけなきゃ、)

頭ではそう思っているのに、なぜが体が動かない。

「お姉さん、大丈夫?」

幼い心晴が、心配そうに自分を見上げてくる。

「だ、大丈夫。」

気付けば、未空の瞳からも涙が流れていた。

心晴の不安や悲しみを理解してあげれなかった自分自身に腹が立つ。

心晴を支えられていないことに気づき

きゅう、と胸が締め付けられた。














「...出来た。」

慧は部品の製造器から出てきたパーツを見て呟いた。

ずっと慧の行動を見ていた友哉は感心したようにパーツを覗き込む。

「...凄いな。」

素直な感想を漏らす友哉を横目で見ながら、できた部品を箱につめて持ち上げる。

「警察も来てないみたいだし、外にでてタイムマシーンの修理するから

手伝ってくれ。」

「あ、ああ。」

「そこの警備員はおとなしくついて来い。大事な人質だし。」

「ハァ。」

警備員は溜息をつくだけで、何も言い返すことはなかった。

どうやらあきらめたらしい。
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