その日、地球は滅亡した
外に出ると、研究員達が戸惑いながらも立っていた。
「社長!大丈夫ですか!」
研究員の1人が友哉に駆け寄る。
「ああ、私は大丈夫だ。」
「丁度いい。お前らも手伝って。」
「しゃ、社長、コイツは何者なんですか...、」
馴れ馴れしく手伝え、と言ってくる慧を研究員は困惑した目で見る。
友哉は呆れたように笑い、悪い奴ではないよと弁護した。
「ちょっとコレ持ってて。」
慧は研究員に部品を渡す。
「え、」
「...手伝ってやってくれないか。」
社長が言うなら仕方ない、と研究員達はぞろぞろと慧のまわりに集まりだす。
拘束されたままの警備員はぽかんとしていた。
手際よく作業を進めていると、慧の視界の隅に良く知っている人物が映る。
顔をあげて会社前の道路を見ると、全力疾走している心晴が目に入った。
「ッ、あいつ、何してんだよ!」
心晴を追いかけて行った未空の姿は見当たらない。
慧は深く考える間もなく、心晴を追いかけた。
「おい!」
修理を放棄して走っていく慧を友哉は呼び止めるが既に遅い。
「...。」
残されたパーツと、タイムマシーンを見比べて
友哉は深いため息をついた。
ふと視線をパーツが入っている箱にうつすと、慧が持っていたディスクがある。
興味深そうにそれを手に取り、部下にパソコンを持ってこさせると
そこに挿入した。