その日、地球は滅亡した
「...は?」
すぐには理解できなかった心晴は、思わず聞き返した。
腕の力が緩んだと思ったら、今度は片手で頬を掴まれる。
そして、無理やり視線をあわされた。
「っ、」
「俺の本当の名前は峯岸心晴。」
ばっくん、ばっくん、
脳が理解すればするほど、心拍数があがっていく。
___信じられない。
「過去を救うために、未来から2012年に来た。」
告げられる言葉に、戸惑うしかない。
同じ瞳に、同じ髪質。
顔つきは違うものの、確かに自分と良く似ている。
まじまじと見た事がなかったために気付かなかった。
「ッ、嘘だろ、」
何がどうなってるんだ。
まさか慧が、俺だったなんて。
理解できない、いや、したくない現実から逃げ出したくなった。
「...もう、わかっただろ。
未空ちゃん探してから戻るぞ。」
一瞬にして緊迫した空気が解かれて、いつもの口調で慧は言った。
呆気なく心晴を解放し、背を向けて歩いていく。
全く、つかめない。
いまだに動揺している心晴はその場から動くことができなかった。
それに気づいて慧は溜息をついて、戻ってくる。
そして心晴の手を引っ張り歩き出した。