その日、地球は滅亡した
◎その日、戦いが始まった
*
未空は公園のベンチに座って俯いていた。
彼女の隣には幼い心晴と卓也。
2人は彼女を心配しているのだろう。
何も話さず、じっと彼女の様子を見つめている。
「...大丈夫かよ。」
見かねた卓也がそう問えば、未空は ごめんね、大丈夫だよ と言う。
全然大丈夫そうに見えない2人は、眉間に皺を寄せる。
小学生に気を使わせるなんて、年上失格だ。
未空は内心そう思ったが、沈んだ心はどうしようもなかった。
「おねえさん、太郎の事好きなの?」
幼い心晴が突然そんな事を聞いてきた。
未空は驚いて顔をあげる。
「え、」
「すきなの?」
もう一度同じ質問をしてくる彼に、未空はすこし頬を赤らめて頷いた。
「うん、好きだよ。...けどね、私じゃ駄目なの。」
「何が?」
「好きなのに、私は何もしてあげられないの。
一番つらいのは彼なのに、私は理解してあげれなくてさっきも傷つけちゃったし...。」
「でも、太郎がさっきみたいにお姉さんにいろいろ言うのは
お姉さんと仲良くなりたいからじゃないの?」
よくわかんないけど、と卓也は言う。
「太郎はおねえさんのことが好きだから悲しいんだよ!」
幼い心晴は表情をパッと明るくさせて言う。
それを隣で聞いていた卓也は は? と声をだす。
幼い心晴が何が言いたいのかわからなかったらしい。