仔猫を拾った王子様
「この度の、梨沙さんとの縁談のことなのですが…
断らさせて頂きます。
勝手なことを言ってるのは、重々承知しています」
「ど…どうして…?」
涙ぐんでる梨沙さん。
声でわかる。
まさか…!
1つの可能性が頭の中を通り抜けた。
もしかして、この場であたし達のことを言うんじゃ…
「私は、萌─「あ、あー…あたし、邪魔なので、帰ります!
し、失礼します…」
一瞬、那李と目が合った。
その時に、首を小さく横に降ったんだよ。
“梨沙さんに言わないで”