仔猫を拾った王子様
吐いて…楽になりたい。
落ち込んでるあたしに気づいたのか、那李がそっと手を握ってくれた。
あたたかいね。
アタシ荷物だよね。
なのに優しくしてくれて、ありがとう。
「貴方達、何も悪くないわ」
しんとした空気の中、梨沙さんが話し出した。
「萌、嘘ついてたことは私、許せない」
「…………」
本当に…ごめんね…
謝ろうとしても、声が出ない。
「でもね?その嘘は仕方無いものでしょう?
だったら、貴方達は悪くないと思う」