仔猫を拾った王子様
左手を差し出されて。
あたしはなんの迷いもなく、手を出した。
「あたし…怖い………、けど、頑張るね」
「当たり前だ。俺様のものだからな」
「なッ!!////
それ、理屈になってないよ!?」
「ピャーピャーうるせぇぞ。おら、さっさと車に乗れ」
ちょっとまえに戻ったみたいに、那李の顔に笑顔が戻った。
那李。
何もできないし、迷惑かけちゃうけど。
那李の笑顔が見れるなら、那李に嫌だって言われてもついていくよ。