仔猫を拾った王子様




パッと見ただけで、とても大きな部屋だってわかった。



この部屋の奥に、誰か───那李のお父さんが座ってるのもわかった。



「いらっしゃい、吉河さん」



あのときと同じ、優しい声で迎えてくれた…気がした。



でも実際は、全然歓迎してくださってるように見えなかった。


あたしを軽蔑したような、恐ろしい目。






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