仔猫を拾った王子様




「あたし…行きたかった。那李のとこに。
………あたし、那李のとこに行って…いいの…?」




「あたりまえだ。萌…」



運転手に見えない、死角で、優しいキスを交わした。


さっきは必死過ぎて感じなかった、那李の匂い。



あたし…やっぱり、那李の隣にいるときが、一番幸せ…。


あたしを許してくれて、ありがとう。


「まもなく到着です、那李さま、萌さま」



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