仔猫を拾った王子様



帰り際。


「ここで、とりあえずさよならだな」

「うん」

「それだけか?」

「…うん」

何か言ったら、わがまま言っちゃいそうで。


だから、うんしか言えなかった。



「バーカ、暗い顔し過ぎ。なんかお前勘違いしてるぞ。
別に別れるわけじゃねぇ。
お前がちゃんと学校行って、友達とたくさん笑えば卒業なんてすぐだ。

それに、離れても…お前はずっと俺様の隣だ。それだけは忘れんな」



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