仔猫を拾った王子様

フランスには、当然お父さんはいないわけだけど。




「安心しろ。俺が居るんだから」





「うん」





その一言にどれだけ救われたかな。



少しだけ、楽しみたいと思えた。





――――――――――――――

「…ボーッとすんな。俺が歩けねぇだろ」


「ああ、ごめんなさい…」




外人さんが…たくさんいる…


あ、わたしが外人なんだよね、ここでは。


「あれが俺の用意した車だ。荷物はアイツに預けろ」


「あぁ!!」


車の横に立っていた人。
こっちにむかって一礼したその人は…


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