仔猫を拾った王子様


「……本当は、付き合ってなんかいません。フリをしていました」



驚く那李。
当然だよね。

でも、嫌われたほうがあたしは嬉しい。




「ほら、彼女、正直に言ってくれたじゃないか」




涙が出るのを必死にこらえた。


目頭が熱い。


「彼女には可哀想だから、帰りの飛行機に乗れるお金くらい渡してあげなさい」



………一人で、飛行機か…。

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