仔猫を拾った王子様


あ―、気分わりぃ。





部屋に戻ると…
やっぱり萌は心配そうな顔をして俺の方を見ていた。


「…どうし…たの…?」



そんな潤んだ目で見んなよ…

結構ヤバいんだぞ…



「…なんでもない。親父のくだらない愚痴聞かさせられたから切ってきた」


嘘を好きな奴につくなんて…

最低だな。





「……そっか…。よかった…よかったね、それだけで」



「それだけ?」












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