赤い下着の主

「どんな感じって……」

 二人は興味津々に目を光らせている。

「メールしてんの?」

「脈はあんの?」

 言葉にはしていないが、目がそう言っている。

 優はためらったが、玉置だとはバレていないことを確信して白状することにした。

「……ヤッた」

「はあっ?」

 二人の声が教室にこだました。

 クラスの視線が勝たちに注がれる。

「バカ! デカい声出すんじゃねーよ」

 慌てて二人の腹に軽く拳を入れる。

 二人は痛がりながらも更に目を光らせる。

 優は早く授業開始のチャイムが鳴らないかと、教室のスピーカーに熱い視線を送った。

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